(施設の中を区分けする「ゾーニング」や飛まつから目を守る専用のメガネの着用)
去年、県内最大規模のクラスターが発生した倉敷市の高齢者施設では、感染者を施設内で療養する対応を求められましたが、通常3か月かかるとされたクラスターを1か月で収束させました。
早期収束の鍵となったのは、おととしのラグビーワールドカップでも話題となった“あの言葉”でした。
去年12月、利用者と職員あわせて450人を超える倉敷市の高齢者福祉施設で、67人が感染する県内最大規模の感染者の集団=クラスターが発生しました。
当時市内では、クラスターが相次ぎ、病床がひっ迫していたため、軽症や無症状の患者は施設内での療養を求められ、現場の職員は、マスクの着用が難しい認知症の患者などの対応に追われながら、感染への不安と闘っていました。
そうした状況で職員の心を支えたのが、施設長の難波淳人さんが「みんなで一つになってコロナと闘おう」と掲げた“ワンチーム”というスローガンでした。
おととしのラグビーワールドカップでも、日本代表をまとめたその言葉は、施設の担当者だけでなく県や倉敷市から派遣された医師などにも浸透し、施設の中を区分けする「ゾーニング」や飛まつから目を守る専用のメガネの着用など、感染を防ぐための工夫を一致団結して行うことができたといいます。
さらに、感染を心配する職員の不安を取り除こうと、感染症の専門医が連日勉強会を開催し、職員の疑問に1つずつ丁寧に答えていきました。
こうした取り組みの結果、通常3か月程度かかるとされたクラスターを1か月で収束させることができたのです。
難波さんは、同じ高齢者施設で働く人たちに自分の経験を役立ててもらおうと、研修会に講師として参加し「介護の現場では、飛まつから目を守ることが大事だ」などど当時の教訓を伝え続けています。
取材の最後に難波さんは「万が一自分の施設が感染してしまったら、みんなで力を合わせて頑張ろうという気持ちになれば、長期化を防ぐことができる」と話していました。
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