岡山 旧閑谷学校歴史 人でたどる


◇備前で企画展 手紙や肖像画など80点

 日本遺産・旧閑谷学校(備前市)ゆかりの人物を通して、歴史と時代精神を振り返る企画展「閑谷を愛した人々」が、備前市日生町日生の加子浦歴史文化館で開かれている。31日まで。

 創設者の岡山藩主・池田光政(1609~82年)から、明治維新後、存亡の危機にあった同校を再興した人たち、光政が信奉した陽明学者・中江藤樹(1608~48年)ら約40人の書や手紙、肖像画など約80点を展示する。

 明治期では、閉鎖していた同校を1884年に「閑谷黌こう」として再興し、長く校長を務めた西薇山びざん(本名・毅一、1843~1904年)と門下生らを中心に展開。西は日清貿易など当時の中国との交流を重視しており、学生らにも影響を与えた。

 会場では、西の書画や家族との写真、教え子で苦学して卒業し、陸軍通訳官などを経て貿易会社を設立した河本磯平(1868~99年)の山水画、西の娘が嫁ぎ、中国での貿易航路を開拓した白岩龍平(1870~1942年)の漢詩の色紙などを紹介している。

 村上節子学芸員は「明治以降も、大陸に雄飛した人材を輩出するなど、行動的な気風があった閑谷学校の伝統を見つめ直してほしい」と話している。

 入館料は高校生以上200円、小中学生100円。問い合わせは同館(0869・72・9026)。

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文化財 防火のアーチ

 ◇旧閑谷学校で訓練

 「文化財防火デー」の26日、備前市閑谷の日本遺産・旧閑谷学校で防火訓練が行われ、自衛消防隊や東備消防署、地元消防団から約40人が参加した。

 講堂(国宝)の裏山から出火したとの想定。発煙筒の煙に気付いた職員が通報し、校内全体にスピーカーで火災の発生を知らせた。裏山に昨年設置された自動式の放水銃4基から周辺に水が放たれ、駆けつけた消防団員らが裏山に向かって一斉放水した=写真=。

 終了後、自衛消防隊長でもある国友道一・旧閑谷学校顕彰保存会事務局長は「放水銃などの防火設備は新しくなったが、機械に頼るだけでなく、一人一人の防火意識を高めることが重要」と述べた。

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