岡山・金山寺会陽 裸衆が宝木争奪

岡山県内のトップを切って6日夜、金山寺(岡山市北区金山寺)で会陽が行われた。国重要文化財の本堂を2012年12月に焼失し、整備を進めてきた仮本堂が完成。13年以降不在だった祝い主も復活し、まわし姿の男約330人が、福を呼ぶとされる宝木(しんぎ)を奪い合った。
 午後10時半、仮本堂の横に設けたやぐら(高さ約2メートル)から松原照賢住職(72)が2本の宝木を投下。裸衆は「うおー」という声とともにぶつかり合い、手を伸ばした。
 同寺の会陽は初めてという岡山市の会社員男性(33)は「仕事面などで飛躍の年となるよう願い、参加した。熱気がすごく、気分は最高」と話した。
 昼には小学生らによる子ども会陽もあった。
 仮本堂では10日、福男が宝木を祝い主に渡す儀式を4年ぶりに行う。
 金山寺会陽は約1200年の歴史があると伝わる。宝木を投下してきた本堂の焼失で存続が危ぶまれたが、13年から毎年、愛好家や檀家(だんか)が会場の砂を整備するなど存続に尽力。募金活動も行い、仮本堂の整備に協力した。松原住職は「皆さんの協力で、かつてとほぼ同じ会陽ができた。宝木を投下してきた本堂を今後再建し、金山寺会陽を完全復活させたい」と話した。