岡山・倉敷 「真田紐」受験生にも「武運結びつけて」…真田家由来が人気の縁起物に

戦国武将の真田家に由来する「真田紐(ひも)」。今年のNHK大河ドラマ「真田丸」の放映で、国内でも希少な製造メーカー、岡山県倉敷市児島唐琴の「坂本織物」(坂本宏司社長)が、多方面から注目されている。

 真田紐は関ヶ原の戦い後、昌幸・信繁(幸村)の真田親子らが九度山(和歌山県)での幽閉中に作ったとされる組紐で、堺商人を通じて出回った。丈夫で刀の下げ緒に重用されたが、戦国の世が去り、茶道具を入れる桐箱に利用されるなど用途が変わったという。

 多色の縦糸と横糸で織り上げた特有の技法が以後、各地に普及。児島地区では、これが今日の繊維業発展の礎を築いたと伝えられている。

 同社によると、真田紐の伝統を継承しているのは、国内で数軒とされる。話題作りを目指し、同社は、ここ約3年間で独自のキャラクター「ゆきむらくん」などを商品化し、携帯電話のストラップなどを発売した。さらに同時代の徳川家康や伊達政宗らも加え、それぞれのイメージカラーを決め、「戦国武将シリーズ」と名付けた組紐も発売。幸村の組紐は赤色を基調とした。

 現在は関東からファンが来訪し、ドラマ化でにぎわう真田家ゆかりの地から販売のオファーもあるという。同社の坂本早苗さん(49)は「“武運を結びつける”で、受験生への縁起物的なアイテムとして、ぜひ」とPRしている。