岡山 2月6日の金山寺会陽へ会場準備

裸の男衆が福を呼ぶとされる宝木(しんぎ)を奪い合う金山寺(岡山市北区金山寺、松原照賢住職)の会陽が2月6日に行われる。宝木を投下する国重要文化財の本堂が2012年12月に焼失し、一時は存続も危ぶまれたが、今回は仮本堂が整備されたほか、会陽運営費などを提供する「祝い主」が復活。愛好者らは“本格的な会陽”に備え、17日、会場整備に汗を流した。
 金山寺会陽は約1200年前に始まったとされ、本堂焼失後は有志らの寄付で、仮の宝木投下台(高さ4メートル)と約200平方メートルの広場を囲む木製柵(長さ約30メートル)を設置。13-15年は祝い主が不在の「奉納会陽」として伝統を守り続けてきた。
 仮本堂は木造平屋約20平方メートルで、檀家(だんか)らでつくる金山寺復興奉賛会が、宝木を包む紙を販売して費用に充てるなどして昨年12月に整備。福男が宝木を納める儀式が仮本堂で開催できるようになり、祝い主として8団体・個人が名乗りを上げた。
 この日の会場整備には約100人が参加し、広場を整地して掃き掃除を行った。裸祭りでは国の文化審議会が15日、西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)を舞台にした「西大寺の会陽」を重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学相に答申したばかり。各地の会陽に参加する「会陽奉納会」の齋藤雅之代表(44)は「金山寺会陽が盛り上がると西大寺会陽のにぎわいに弾みがつく。裸男たちの熱意で金山寺会陽が復活することがうれしい」と話した。
 復興奉賛会の森谷善夫事務長(79)は「祝い主とともに会陽を盛り上げ、今後につなげたい」とし、金山寺の岸本賢信副住職(31)は「多くの方々の尽力に感謝するとともに、本堂を含めた境内の復興を目指したい」としている。
 当日は午後2時から子ども会陽があり、会陽は同10時半に宝木が投下される。