京都   冬の旅、今年は「禅」 過去最多の特別公開

 日ごろは見学できない京都市内の寺院や文化財を期間限定で公開する観光キャンペーン「京の冬の旅」(市、市観光協会主催)が始まり、3月21日まで多彩なメニューがある。50回の節目として過去最多の16寺院を特別公開。今年は臨済宗を開いた臨済禅師の1150年遠諱(おんき)にあたることから、「禅―ZEN―禅寺の美 日本文化の美」をテーマに、禅宗寺院を訪ねるコースを充実させた。

 禅寺の障壁画を訪ねる定期観光バス特別コース「みやびコース」。最初は京都最古の禅寺である建仁寺開山堂(東山区)を訪れた。客殿のふすまには、狩野派の絵師・加藤文麗の水墨画「龍(りゅう)虎図」が見られる。雲間に現れた竜が力強い。対照的に、江戸後期の絵師・原在中の「松鶴波図」「白梅群禽(ぐんきん)図」は精緻に描かれ優美な趣がある。

 精進料理店で昼食後、妙心寺塔頭の天球院(右京区)へ。狩野山楽、山雪が手がけたとされる重要文化財の「竹虎図」「梅に遊禽図」などが並ぶ。金地の華やかなふすま絵全56面は、4年前からデジタル複製を始めた。現在は原本と複製が混じって並び、久下保建住職は「原本と複製の出来栄えを見比べて楽しんでもらえれば」と話す。今春には全ての複製を終えて原本は京都国立博物館(東山区)に寄託されるため、天球院で原本を見られる最後の機会となる。

 続いて妙心寺最古の塔頭、玉鳳(ぎょくほう)院(右京区)を訪ねた。方丈内部には、生き生きと描かれた「竜図」のほか、「麒麟(きりん)図」「山水図」など狩野永真、洞雲の作と伝わるふすま絵が残る。妙心寺山内最古の建物である開山堂微笑庵も公開する。

 最後は相国寺塔頭、長得院(上京区)。一般公開は初めてという。江戸後期に京都で活躍した絵師・岸連山の代表作とされるふすま絵は、5年前から行っていた修復を終えたばかり。「山水図」「水辺虎図」「波涛(はとう)鷲図」など動物や自然のモチーフが、墨の濃淡と繊細な筆遣いで写実的に表現されている。

 市観光協会は「禅宗の7本山が密集する宗教都市ならではの内容で50回の節目にふさわしい。京都らしさの詰まった観光を楽しんでほしい」としている。

 みやびコースは3月18日まで毎日午前10時にJR京都駅烏丸口を出発。大人9千円、小学生5970円。申し込みは京都定期観光バス予約センターTEL075(672)2100へ。

■食文化テーマ老舗料亭共演

 50回の節目にちなんで、「伝統産業・文化」「朝観光・夜観光」「京の食文化」の3テーマで50のイベントを実施する。

 「美(うるわ)しの饗宴」では老舗料亭が共演する。若手料理人でつくる「京都料理芽生会」のメンバーが協力して仕上げた献立を味わう。1月31日と2月14日に下京区の渉成園で、料金は1万円。定員は各日100人。庭園が拝観できる。

 また、定期観光バスに今回初めて、朝ご飯付きのコースも取り入れた。観光客の宿泊需要を生む狙い。精進料理の朝食をとり、開門前の大徳寺(北区)で貸し切り拝観、座禅を体験する。3月5、6、12、13日の午前8時にJR京都駅烏丸口を出発する。大人5千円、小学生3500円。

 問い合わせは京都市観光協会TEL075(752)7070。「50回記念京の冬の旅」のホームページに詳細を掲載中。
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参考
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