京都  桜 平野神社  ハープ奉納  桜が奏でる柔らか音色 寺本さん

京都市上京区の平野神社で31日、市出身のハープ奏者、寺本圭佑さん(35)=横浜市=が、府内産の桜で製作した金属弦のアイリッシュ・ハープのコンサートと奉納をする。寺本さんは「桜の名所の境内で、桜のハープの繊細で柔らかな音色を楽しんでほしい」と呼び掛けている。演奏は拝殿で午後2時と7時。入場無料。

 アイリッシュ・ハープは11世紀以降、アイルランドで盛んに演奏されるようになった。19世紀には伝統が途絶え「幻の楽器」とされていたが、近年復興の動きがある。

 中学2年の時、アイリッシュ・ハープと出会った寺本さんは、明治学院大文学部芸術学科に進学。アイルランドやスコットランドに何度も渡って演奏などを学び、国内ではコンサートやスクールを通じて普及に努めてきた。その歴史や構造などを研究するにつれ、自ら手掛けたくなり、2014年から本格的に製作を開始。既に50台近く完成させている。

 13年から「平野神社桜コンサート」に出演している縁で昨春、神社側から「桜の木で作った金属弦アイリッシュ・ハープを奉納してほしい」と依頼を受けた。通常、材料は柔らかい材質のヤナギやシカモア(メープルの一種)を用いる。堅い桜の木はノミに力を入れ過ぎるとすぐに割れる。慎重に作業を続け今年1月から約2カ月間かけて仕上げ、妻で日本画家の中井智子さん(35)が華やかに舞う桜の花を描いた。

 アイリッシュ・ハープは材料の木によって音色は全く異なる。寺本さんは「桜の木のアイリッシュ・ハープは明るくて華やかな音に仕上がった。多くの方にハープの魅力を感じてもらいたい」と語る。